「FUJICA ST801」
時々使っているフィルムカメラ。所々で聞いた使い方や注意点を書いておく。少ないFUJICA使いの人達の元にこの情報が届けば、冥利に尽きる。。。
もともとは母親が使っていたカメラ。タンスの奥から引っ張り出してきて、メンテナンス。再び息を吹き返し、活躍中。
でもマイナーだけあって、フィルムカメラの調整店や現像をお願いする写真屋さんに持っていくとほぼ必ず珍しがられる。
いいカメラなんだという評価はどこでも同じで、それはとても嬉しかったりする。
発見時はさすがに年月も経っていて、シャッターはきれるものの、スピードが正しいのかいまいち分からない。また内蔵LEDも光っていなかったので、フィルムカメラ専門店で調整していただいた。
そこで色々とST801に関する情報をお聞きすることが出来たので、その件の話も。
ST801で一番有名な点といえば、このシャッター速度が最高1/2000secであること。
- 機械式制御
- 横引きゴム引き布幕フォーカルプレーンシャッター
この機構で1/2000は中々にすごいことなんだと、調整をお願いしたお店の常連さんと話しているときに聞いた。
なのになぜこんなに珍しいもの扱いなのだろう。。FUJICAのなせるわざなんだろう。
またEBC FUJINONレンズとの組み合わせなら、開放測光も可能でピント合わせが非常に楽です。PENTAXのレンズで絞込測光も試してみましたが、露出の雰囲気は分かるもののやっぱりピントが合わせづらいというのが感想。
ファインダーの左側には電池を入れる場所がある。この電池はシャッター幕を動かすためではなく、露出の度合いをファインダーの右側にLEDで示すためのもの。下から上までに赤色に光るLEDがあって、下は暗い、上は明るいを意味している。少しだけ、露出は明るめに出るので、暗いかな?と思うくらいのLEDの位置が調度いい感じ。
EBCのFUJINONレンズを組み合わせれば、開放測光の明るい視野で、露出は分かりやすく表示してくれる、機械式ながらホント使いやすいと感じている。
中に入っている電池はこちら。4LR44という規格。
底から。「by FUJI PHOTO FILM」という文字がカッコイイ。左側に見えるボタン。
このように正面に構えて右側下に来る。撮影修了後、フィルムを巻き取る際にはこのボタンを押しながら、左側のレバーをくるくる巻いていくことになる。
良い点も多いこのカメラだけど、最初の方で書いた注意点もあるらしく、修理をお願いしたお店で聞きました。
シャッタースピードを早めで撮影すると、時々こういった写真のように右側だけ明るいものが出てくる。
調整してもらったお店の人と話してて、ST801の癖として、シャッター幕が跳ね返ってしまって、このように光量が余計に入ってしまう現象があるらしい。これが、先ほど書いた1/2000を達成した横走布幕の代償なのかは分からないけど、どうしても出てしまうことが多いとのこと。
ただ調整していただいて、最近はあまり見られなくなってきた。修理次第ではしっかり直るのかもしれません。1/2000ではまだでちゃうかな。
それからもう一つ。
ST801のレンズのマウントは、M42、もしくはスクリューマウントと言われているもの。
同じマウントを採用しているオールドレンズは多種揃っているので、色々楽しめるというメリット。
ただし。
このマウントの周囲に存在するネジ穴。
ここのネジ穴に、レンズ側から飛び出している突起(押すとへこむやつね)がハマることがあるんだそう。そうなるともう分解して外すしかなくなるとか。マウント部にそのような出っ張りのあるレンズは取り付ける際に注意が必要らしいです。
いままでにPentaxのレンズに関してはいくつか試している。その結果だと、super-takumarのレンズは大丈夫。smc以降は怪しい、といった感じ。それ以外のM42マウントレンズは分かりません。
中々使っている人に出会わないST801。こんな色んな説明が役立つ時はくるのだろうか。
まあとにかくお気に入りのカメラですし、一通りいままで見聞きした情報をあげてみました。
分かっていることはきちんと書きたかったので、デメリット的なことも書きましたが。。。
個人的には本当に優れたフィルムカメラの1つと感じています。
お手軽だし、機能性は高いし。
あとなにより、レンズが良い!Fujinon Lensは素晴らしいですよ。
ひとくせもふたくせもありますが、それ故か可愛くなってきているのも事実。
良いカメラですよ、ほんと。
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追記1
SMCタクマーもつけて、時々遊んでます。
ただSMCは気になる出っ張り棒がマウント部分にあるので、テープなりなんなりでその飛び出しを塞ぎつつ使用する感じ。
露出計も、FUJINON以外では機能しません。故障ではないと思う。
常にファインダー右側のライトは一番下を示します。
ですので、マニュアルらしく、こちらのウェブページなどを参考にしつつ、撮る必要があります。
それもまた一興ですよね。
はじめまして、私の一眼レフカメラの入口はST-701で、40数年を経てST-801を手に入れました。
EBC FUJINONどの組み合わせでは、解像感、色乗りとも大変良くて気に入ってます。
難を言えば、巻き上げ角度が非常に大きいところでしょうか。しかし、巻き上げもスムーズで軽快なシャッター音は、現在のデジタル一眼レフカメラとは大きく異なり、本物のメカの音がして心地良いですね。
雄鶏様
少々忙しくしており、コメントを見逃しておりました。申し訳ありません。
FUJICA使いの大先輩ですね。恐れ入ります。本当に、EBC FUJINONと組み合わせたときの色乗りの良さはほれぼれするほどです。
まさしく軽快に撮れるところも気に入っていて、スナップ撮影にもいいよなあと感じています。
わざわざコメントいただき、ありがとうございました。
はじめまして。
現代でもフジカを使っている人がいたとは。
たまたま記事を発見し、たまには引っ張り出して使いたいと思いました。
最大の弱点はフィルムを巻くスプールのところですね。
この爪が全部折れてしまうと、フィルムをセットすることができなくなってしましいます。
私の所有しているものは既に2本折れてしまっています。
バリエーションとしてロゴの部分が浮き彫りの仕上げになっているものがあったり、
地味ながらなかなか面白いカメラだと思います。
てく様
コメントいただき、ありがとうございます。
これだけフィルムカメラが流行っていても、なかなかフジカを使っている人には出会いません。
なるほど、あの爪に注意なんですね。ありがたい情報、とても助かります。自分のものも確認してみます。
ロゴの違いでバリエーションがあるのは知りませんでした!やはり地味ながらも、記事にしてよかったです。諸先輩方から貴重な情報をいただける。。。
これからも大事に使っていきたいと思います。
初めまして
ST801使っている人がいたのは驚きでした。
> 露出計も、FUJINON以外では機能しません。故障ではないと思う。
> 常にファインダー右側のライトは一番下を示します。
FUJINON以外のレンズを取り付けたとき、カメラを正面から見てマウントの左、
セルフタイマーレバーの右に押しボタンがありますが、このボタンを押しながら半時計方向に回すとロックします。この状態で露出計は動作します。(絞り込み測光は変わりませんが)
私はロシア製レンズやタクマーレンズで使用しています。(FUJINONレンズは値段が高くて・・・)
私の使っているST801とはマウントの形状が違いますね。
私のはマウントからピンが飛び出ていて(マウントにへこみは無いです)SMCタクマーも問題なく使えています。
製造時期によって違うんでしょうね。
KK様
はじめまして。わざわざコメントをいただき、ありがとうございます。
なんと、きちんと使い方があったんですね。大変勉強になります。手持ちのタクマーで早速試してみます。
FUJINONレンズ、中古でも高いですよね。広角レンズほしいなあとは思いつつも、中々手が出ずここまで来ています。
私のST801は母親譲りで、一緒にレンズも2本ついてきたので幸運でした。ロシア製レンズも良いですよねえ。沼がすぐそこに待ち受けてそうで怖いです笑。
マウントの違いもあるんですか。本当、奥が深いです。
祖父から譲り受けたカメラがこのST801でした。
ただかなり長い間押し入れの中に眠っていたので
劣化が激しく遮光幕がとれてしまい……()
修理に出したくても今の生活ではかなり身を削らないと
いけないくらい修理代が高いんですよね……
いつかこいつを治せるくらいの収入を稼げる人に
なりたいです。
〜〜Lict様
私事で忙しくしており、せっかくのコメントを見逃しておりました。大変申し訳ありませんでした。
お祖父様からとのこと、大変に思い出のある品ですね。すでに生産が終わっているパーツなどもありそうですし、修理代確かに高くなってしまいそうです。
いつか使える日が来ることを、私も願っております。
ST801懐かしい記事で楽しく読ましてもらいました
もう50年ほど前学生時代アルバイトで貯めたお金でやっと買った思い出があります
本体と50mm(?)の標準と28mmの組み合わせで、望遠は以前から使用していた今はなきサン光機株式会社のサンズームで使っていました。
電池も銀電池と特殊なものでしたが、やはりST801の決め手は1/2000秒のシャッタースピード、小型軽量(キャノン・ニコンはでかすぎました)、TTLの表示がLEDでファインダー内で確認できること、それとシャッター音が静かなこと等でした
色は黒を選び使い込んで頭の塗装がはげ真鍮が露出した、使い込んだ状態が好きでした
10年以上使い込みましたが、次期機種として開放状態でオートフォーカスの出来るミノルタのミノルタ α-7700iでフイルム事態を過ごしまし、撮影枚数を気にしなくてよいデジタル時代となりました。
キャノン・ニコンに比べマイナーでしたがST801はすばらしい機種だったと思います
おっさん様
コメントいただき、有難うございました。気軽な気持ちでST801の記事を上げましたが、皆様それぞれにやはり思い出・思い入れがありますね。
おっしゃる通り、マイナーながらも機能は他の機種と同等もしくはそれ以上で、現在見返してみてもなぜ売れなかった?と思うような機種です。そのマイナー加減がとても良いところでもあるのですが。
フィルム独特の枚数を気にする撮影は、この一枚を撮るのか・撮らないのか?という逡巡もあって面白く感じます。
フィルムカメラに対する造詣の深さを感じるコメント、有難うございました。
全くカメラのことは無知なのですが、気になってはいて。
祖父が亡くなり、この度形見としていただきました。
カビがひどく、修理にも出していないのですが
(いくらかかるんだろうと恐怖です)ただ動きは問題ないのでまずフィルム1本分撮ってみることにしました。
ずっと祖父の部屋にかかっていたカメラで
珍しいものだとは知りませんでした。
なんだか当記事を読んで余計に嬉しく、大切にしなければと思う反面わたしでは使いこなせない気がする、、という気持ちが混ざっています。
何が言いたいか分からなくなりましたが、
記事を拝見できて嬉しくなりました。ありがとうございます
うめはら様
コメントいただきありがとうございました。形見としてのフィルムカメラ、素敵ですね。
使いこなせるかどうかはあまり気にせず、ただ撮ってみるだけでも十分ではないでしょうか。私も使いこなせているかどうか、正直わかりません笑。
お気持ちを残していってくださり、ありがとうございました。